つい先日、とある施設から褥瘡のある患者が入院し、受け持つことになった。
これまで、褥瘡を見ることはあったが、少し勉強してみようと思い調べてみた。
褥瘡とは…
「身体に加わった外力は、骨と皮膚表層の間の軟部組織の血流を低下、あるいは停止させる。この状況が一定時間持続されると組織は不可逆な阻血性障害に陥り褥瘡となる」
・外力→圧迫力、ずれ力、摩擦力
・軟部組織→内臓や骨を除いた部分のこと
・不可逆的→元に戻らないこと
・阻血性障害→血流が通常より少なくなり生じる障害
病棟では褥瘡予防のために、寝たきり患者の仙骨や背骨にフィルムを貼付することがある。
フィルムを貼付して数日後、フィルムがめくれ上がる箇所が出てくる。これが、患者にかかっているずれ力の方向だ。
例えは仙骨に貼ったフィルムの肛門側がめくれ上がっていたら、仙骨に頭部方向へのズレが加わっていたことになる。
このずれ力の影響は褥瘡の大きな原因だ。
ブタの皮膚で検証したデータを見つけた。
・ずれ力と圧迫力を加えると…45㎜Hgで皮膚が損傷。
・圧迫力のみ加えると…290㎜Hg でも損傷なし。
つまり、褥瘡の原因は、圧迫力より、ずれ力の方が影響が大きいらしい。
寝たきり患者にヘッドアップやヘッドダウン、体位変換などでずれ力が生じてしまうが、一番強いずれ力が加わったのはオムツ交換であるというデータもある。
当てたオムツを引っ張らないようにすることが大切。
オムツ交換の回数を減らしたら、褥瘡が改善した例もあるらしい。実際に、回数を減らすのが良いかは別だが…。
聞いた話では、褥瘡は看護や介護の質を図る指標にされることがあるらしい。
患者の安楽のためにも、褥瘡予防に努めたい。
褥瘡後発部位
※この文章の内容は個人の主観によるものです。