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誤嚥性肺炎について

 

誤嚥性肺炎について

             

誤嚥性肺炎は高齢の人がなりやすい。加齢により、嚥下機能が落ちるからだ。

高齢者が肺炎で入院する場合、市中肺炎より誤嚥性肺炎が多い印象がある。

誤嚥性肺炎は唾液や食物残渣などが、食道ではなく、気管に入り炎症が起こる。

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左右の主気管支を比較すると、心臓がある側の左主気管支のほうが右主気管支より長く、分岐の角度が大きい。
このため、誤嚥した異物は左よりも短く、傾斜角度も小さい右主気管支に落ちやすい。嚥下性肺炎が右肺で生じやすいのは、そのためである。

 

なので、誤嚥性肺炎は右下葉が好発部位となる。
そのため、下葉の聴診が重要。
下葉の聴診をするためには背中側からの聴取が必要。胸部ではなく、背中側でないと、下葉の聴診はできない。
誤嚥が疑われる高齢者では右側の肩甲線上第8肋間(右肩甲骨の下)を重点的に聴診する必要がある。(S6、S10)

 

 

 

誤嚥性肺炎を早期に察知するには

高齢者は肺炎の主症状である高熱、咳嗽、喀痰などの症状がでにくいことも多く、気づいた時には重症化していることもある。
食欲不振や一時的な混乱がみられることもある。
いつもと比べて呼吸数が増加している場合は、 誤嚥性肺炎などの病態が潜んでいる可能性がある。
活気がないなど「いつもと何かが違う」と感じとれることが大切。

 

「いつもと何かが違うとは」

・元気がない
・問いかけに対する返答や表情の変化が少ない
・ぼーっとしている
・不穏な様子がある
・排泄などの訴えがなく、失禁するようになった
・明らかに食欲が低下している
・食事に時間がかかる(嚥下に時間がかかる)
・口腔内に食事を溜め込む
・飲み込みづらそうな様子がある
・むせ込みがある

 

 

 

気道内分泌物は重力により背面に貯留しやすい。
重力により背面の肺は圧迫を受けやすい。
特に寝たきりの患者では、日常生活において背面は必然的に一番下になることが多い。
寝たきり患者は常に背面が圧迫されている。
そのため、寝たきり患者の誤嚥性肺炎の好発部位は下葉となる。

 

そして、好発部位である下葉の圧迫を解除し呼気が肺全体にいきわたるよう、積極的な離床が必要。ベッドのヘッドアップより、できれば車椅子移乗など。

発熱などがなければ積極的な離床を。

 

ちなみに、食事中にムセて食べ物が食道ではなく気管に入ってしまった時に起こるリスクは、誤嚥ではなく窒息だ。

 

 

 ※自分の主観で書いています。鵜呑みにせず必ず自己にて調べてください。